立て続けに同じ質問を受けたので、こちらにも上げておきます。

デイサービスやグループホームの方から、
「口腔ケアの必要性はわかるが、忙してそこまで手が回らない」
というご相談を受けることが多いです。

解決策として

優先順位をつけたらどうですか？

とアドバイスしています。

お金を払って頂いているからか、
なんとなく均一にサービスを提供したくなるのが人情です。

ただ、こんな考え方もあります。

「口腔ケアをしないことによるデメリットが大きい人」を優先させる

たとえば、

・誤嚥している可能性が高い
・肺炎で入退院を繰り返している
・口の中が乾燥している
・痰が多い（いつもガラガラしている）

などの方は、誤嚥性肺炎のリスクが高い人たちです。
このような方は、口の中の清掃状態が、生死に関わることもありますから、
口腔ケアの優先順位が高い（よりきれいにしてあげないといけない）人たちです。

一方で、

・自立している（要支援の方や要介護度が低い方）
・元気
・自分で（下手でも）歯みがきできる
・日常的にむせていない
・よくしゃべる

このような方は誤嚥性肺炎のリスクが少なく、
口の中の清掃状態が生死に直結する可能性が低いので、介入の優先度は下がります。
（むし歯や歯周病にはなるかもしれませんが）

自立を促す（介護に依存させない）という意味でも、
積極的な介入はせず、チェックくらいでよいかもしれません。

これが適切な対応なのかはわかりませんが、
現在の介護の制度では致し方ないところなのかもしれません。
制度や政策の不備を嘆くより、今できることを探したほうが建設的だと思います。

本当にサービスを必要としている人を優先するのも一つの考え方ではないでしょうか。