入れ歯外来
入れ歯が合わなくてお困りの方へ
入れ歯は作る人や作る方法で差が出やすい治療です。
当院の院長は入れ歯や咬み合わせを専門に学びました。
当院の院長は、大学卒業後、入れ歯や咬み合わせを中心に研究する大学院に進学。
大学院卒業後も、訪問診療や大きな病院の歯科で、10年以上、入れ歯に関わってきました。
昭和大学の入れ歯や差し歯の講座で非常勤講師を務めたこともあります。
詳しい経歴はこちらをご覧ください。
本当に入れ歯がいいの?
「歯を失ってしまった」
「歯がなくて噛めない」
歯がなくなってしまっても、入れ歯以外にも選択肢があります。
ブリッジ(固定式のつながった歯)やインプラントです。
場合によっては、矯正との組み合わせもあるかもしれません。
なくなり方によっては、そのまま何もしなくて良いこともあります。
入れ歯はプラスチックの大きなかたまりです。
どんな名人が作っても、口の中に入れれば違和感がありますし、味や温度も感じにくくなります。
噛む力も、自分の歯より劣ります。
まず入れ歯を作り始める前に、本当に入れ歯で良いのか、入れ歯以外に選択肢はないのか、お話しします。
今、入れ歯を入れていても、ブリッジ(固定式)にできる場合もあります。
10年以上、なくなった歯を作ってきましたが、ブリッジ(固定式)で作れる部分はできる限りブリッジで作り、ブリッジ(固定式)ではどうしようもない大きくなくなった部分だけ入れ歯にするのが、良いように思います。
特に前歯は見栄えや違和感の問題があり、入れ歯からブリッジ(固定式)にすると、喜ばれることが多いです。
入れ歯を新しく作る前に
- 大ざっぱな型どり(専用の型どり器を作る)
- 精密な型とり(噛み合わせを決める道具を作る)
- 噛み合わせの決定(入れ歯の歯を並べる)
- 仮合わせ(入れ歯の形にする)
- 完成
どんなに上手に作っても、作りたての入れ歯は違和感や痛みがあるものです。
入れ歯を作ったことのある方はよくおわかりかと思います。
これをお口の中になじませるために、調整しなければなりません。
このように、新しい入れ歯を本当に使えるようにするまでには、かなりの工程が必要です。
そこで当院では、新しい入れ歯を作る前に
「まずは今のお口の中になじんでいる入れ歯を修理・調整してみる」
ことをオススメします。
きちんと作った入れ歯であれば、調整や修理をすれば、そのまま使えることも多いのです。
当院のこだわりの入れ歯
修理もできないほどお口の中に合わないとき
それでもやっぱり新しく作りたいとき
当院のこだわった入れ歯の作り方をご紹介します。
- 1.準備
- 型取り、レントゲン撮影(歯がある場合)、残った歯のチェックをします。
この資料をもとに、- 残った歯に異常はないだろうか
- 咬み合わせの高さや位置はどうしようか
- 入れ歯のデザインはどうしようか
- 2.治療方針の相談
- 私の考えで良いか、あなたと打ち合わせをします。
私の提案した治療方針やデザインが納得できるものであれば、入れ歯を作り始めます。 - 3.型取り
- 1回目の型取りであなた専用の型取りをする道具を作っておきます。
これで、もう一度、型取りをします。このように入れ歯には型取りが2回必要です。 - 4.咬み合わせの決定
- とった型をもとに、咬み合わせを決めます。
- 5.骨組みと歯並びのチェック
- 金属の骨組みや部品、歯並びのチェックをします。
- 6.完成
- やっと完成です。
- 7.微調整
- これだけ丁寧に作っても、入れ歯は大きなかたまりなので、作る工程でどうしても歪んでしまうものです。
この歪みが原因でしっくりこなかったり、ときには痛くなることもあります。
これを使って頂きながら、微調整してお口の中になじませます。
これでやっと「きちんと使える入れ歯」になります。
このように、当院の入れ歯作りは手順が多いのですが、どこかをはぶくと、良い入れ歯になりません。
入れ歯はできる前に苦労するか、できたあとに苦労するか。
当院では、作るときに手間をかけます。
バネが見えない入れ歯や柔らかい入れ歯の問題点
ここ数年で、バネの見えない入れ歯や柔らかい素材の入れ歯をよく見かけるようになりました。
バルプラスト、エステティックデンチャー、スマイルデンチャー、ミラクルデンチャーなどと呼ばれるものです。
この入れ歯、一見良さそうなのですが、大きな問題があります。
それは、修理や調整が難しいことです。
上に書いたとおり、入れ歯には調整がつきものです。
部品が壊れたら取り替えることもできます。
また、長年使って、多少合わなくなっても修理すれば使えます。
新しい素材の入れ歯は、この調整、交換、修理が非常に難しいのです。
一方で、このような新しい素材の入れ歯は、自費なので高価です。
合わない入れ歯を使っていると、歯茎が痩せたり、残った歯に負担がかかったり、うまく噛めなかったりします。
これは高価な入れ歯でも保険の入れ歯でも同じです。
本来なら作り直した方が良いくらい合わなくなっていても、「高かったから」という理由で作り直す気持ちになれない方を少なからず見てきました。
従来の入れ歯なら、修理をして使えるようにできるのですが…。
このように、新しい素材の入れ歯は問題点が多いので、現状では当院ではオススメしていません。
当院独自の入れ歯
- できるだけ小さくシンプルに作る
- 入れ歯は、違和感が強いもの。
ある程度は仕方ないのですが、少しでも違和感を減らすために、大切な部分は残しながらも、できるだけ小さくシンプルに作っています。
保険の入れ歯でもコンセプトは同じです。
専門で勉強したからこそできる技術です。 - 少しだけ柔らか入れ歯(仮)
- 入れ歯は、従来のものを基本に忠実に作り、できる限りの調整をします。
それでも、習慣やクセ、歯茎の状態で、どうしても痛みが消えないときは、「内側をごく薄く柔らかい素材にする」ことで改善することができます。 - ブレードの歯
- 入れ歯は、どんな名人がどんなに上手に作っても、スジっぽいもの(肉のスジや漬物やニラなど)は食べにくいものでした。
従来の入れ歯よりも「切れる」ようにするために、入れ歯の歯を、十字を切った金属の歯を使うこともできます。