矯正で「かみ合わせ」は良くなるのか
2015年11月27日噛み合わせ
知り合いから
「咬み合わせが悪いから矯正をしようと思うんだけど…」
という相談を受けました。
今日は「矯正で咬み合わせが良くなるのか」というお話。
あなたがむし歯になって歯医者さんに行きました。
むし歯の治療が進んで、銀歯ができてきました。
「カチカチ咬んでください」と言われて噛む赤い紙が出てきます。
あの紙、厚みは30ミクロン(0.3ミリ)です。
私たち、一般の歯医者は、そのくらいの仕事をしています。
一方で矯正の歯医者さんに行くと、
かなりダイナミックに歯が動きます。
少なくとも数ミリ、多いと数センチになることもあります。
ここで一つ。
センチ単位で大きく動かしたものを
最後に数十ミクロンまで調整することができるでしょうか。
もしできるなら、神業ではないかと思います。
どちらが優れているとか劣っているとか、
そういうことではありません。
ただ、仕事をする単位(大きさ)が違うということです。
また、何年、何十年も歯を使っていると、
よく使うところは歯がこすれて、うまい具合にすり減ってくれます。
歯をセンチ単位で動かすと、
このうまい具合にすり減った部分がずれてしまいます。
果たして矯正して噛みやすくなるのでしょうか。
私は、特に成人の歯は、
矯正は咬み合わせを治すものではなく、歯並びを治すもの
だと考えています。
*出っ歯すぎる場合、受け口すぎる場合、子供の歯は、
かみ合わせを治すという意味合いもある場合もあります。