むし歯じゃないのに「歯が痛い」?
2016年8月2日顎関節症
最近、歯を痛くする原因で多くなってきたのは「TCH」です。
Tooth Contact Habit の頭文字をとって「TCH」。
日本語の病名はありませんが、直訳すると、
Tooth=歯
Contact=接触
Habit=クセ・習慣
「日中に上下の歯を接触させるクセ」
のことです。
TCHは病気ではなく、生活習慣やクセです。
一般的な人は、リラックスした状態では、
上下の歯がさわってるところはなく、少しスキマがあいています。
これを読んでいるあなた。
どうですか? 上の歯と下の歯、さわっていませんか?
上下の歯を合わせる必要があるのは、
食べているときと力を入れるときだけです。
ただ、
ストレスを感じたり
仕事が常に力が必要だったり
緊張する時間が長かったり
集中する時間が長かったり
すると、上下の歯を合わせて、がんばってしまいます。
この「上下の歯を合わせてがんばる」時間が長くなると
上下の歯を合わせているのが普通の状態だと脳が勘違いしてしまうのです。
これがTCH(日中に上下の歯を接触させるクセ)です。
私が診察していると、多い日は「歯が痛い」という人の3割くらいは、このTCHが原因です。
しかし、このTCHの存在自体、歯医者さんにすらあまり知られていません。
以前もお話ししましたが、正しい病名がつかなければ正しい治療はできません。
ですから、TCHは患者の皆さんはもちろん、
歯医者さんにも知ってもらいたい概念なのです。