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1年間の東京出張で学んだこと(摂食機能障害)

2016年3月29日摂食機能障害,訪問診療

今日は東京に出張…というか、勉強でした。

去年の4月からほぼ毎週月曜日に、
母校で摂食機能障害の勉強(診療の見学)をしていました。

私たちは毎日3食、食事を食べています。

「食事を食べる」という作業、何気なく行っていると思います。
しかし、実はすごく複雑なことをしているのです。

「食べる」ということは…

1.食べ物を見て「食べ物だ」と認識して口の中に運びます

2.口の中の食べ物をモグモグします

3.ある程度形がこなれてきたら舌でのどに送ります

4.のどの奥に食べ物が来るとゴックンと飲み込みます

5.飲み込んだ食べ物は食道を通過して胃に行きます

この5つのステップのどこがおかしくなっても、
スムーズに食事を食べることができません。

たとえば、食べ物がわからないと、食事が出てきても食べられません。
あるいはお皿やスプーンを食べてしまうかもしれません。

口の中に運んでもらっても、
たとえば、半分寝た状態では、モグモグできずに
食べ物がいつまでも口の中に溜まったままになってしまいます。

のどに食べ物が来ると、反射で飲み込むのですが、
(試しにのどの奥に水を貯めてみてください…多分、すぐ飲んでしまいますね)
反射がなかなか起きないと、肺の方に食べ物が入ってしまいます。
そうですね。これが「誤嚥」です。

飲み込んでも、食道が固~くなって動かないと、
食べ物が進んでいかないので吐き戻してしまいます。

お年寄りに増えてきた脳梗塞と認知症。
この二つの病気が「最後まで口から食べる」ことの障害になり、
大きな問題になり始めています。

あまりに食べられなければ「胃ろう」にする以外に方法がないかもしれません。
(胃ろうが一概に悪いわけではありません)

このような方に、最後まで口から食べて頂くための治療方法について、
1年間、集中的に勉強に行っていました。

これからの歯医者は、
歯の形を元に戻すことだけでなく、
食べることサポートする、口から食べられるような治療をする
ことが求められると思います。

実際、飲み込み(嚥下)、ムセなどについて、
介護の現場にいる皆さんから、ちらほら質問を頂くようになりました。