今日の記事は（歯科）関係者向けです。

私、歯医者になりたての頃、いろいろな人に
「速度と精度とどっちを優先させるべきか」
という質問をしていた時期があります。

大学6年生のときは、半日かけて1人診ればよかったのですが、
いざ歯医者になって実際の現場に行くと、
15分～30分で1人診ないといけないのです。
質を維持しながら量を診るのは、当時は無理で、悩んでいました。

答えがどうだったかはもう全く覚えてないけど、
「精度を上げて、それから速度を意識していく」
のが正解だと今はわかります。

現場では（経営的な問題から）速度を要求されることが多いのですが、
うまくごまかしながら精度を落とすことに抗っていました。
私は、性格的に、几帳面というか神経質なところがあって、
ぐちゃぐちゃな治療（≒作品）が嫌いなのです。
あまり厳しい院長たちではなかったので、大目に見てもらっていたのかもしれません。

速度より精度が大事だと言い切れるのは…

精度の高い治療をできる人は、誤解を恐れずに言えば、
状況に応じて質を落として速度を上げることもできます。
しかし、ただ速いだけの人は、
いくら速度を落としても精度の高い治療をすることは絶対にできません。

当院では、いくら速くても雑な診療は評価しません。
私はスタッフに、「速くしろ」とは滅多に言いませんが、
「雑にやるな」とはよく言っています。
これは私自身への戒めでもあります。