詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)の素材 それぞれの特徴
2016年3月16日噛み合わせ
今日は、部分的な詰め物(インレー)や差し歯(クラウン・ブリッジ)の素材についてお話しします。
ずいぶん前から「白いきれいな歯」として知られているセラミックの歯。
以前は、金属の筒の上にセラミックを盛っていました。
「メタルボンド」と呼ばれているものです。
金属の筒が必要だったのは、全部セラミックで作ると強度が足らないからでした。
ここ数年で素材が進歩して、金属を全く使わずに、
全部セラミック(白い素材)で差し歯を作ることもできるようになりました。
ジルコニアセラミック、e-maxと呼ばれているものです。
金属の筒の上にセラミックを盛った差し歯と、
全部白い素材で作った差し歯の違いは、
白い素材の差し歯は光を通すので透き通るような透明感があり、
より自分の歯に近い白さで作れることです。
ただ、いずれにしてもセラミックは、強い衝撃で欠けてしまうことがあるので、
噛む力が強い人にとってはあまり良いものではありません。
また、自分の歯より硬いので、
噛み合わせの相方の歯や差し歯の土台になっている自分の歯にダメージがあるかもしれません。
私(院長)が自分の歯に入れているのは金の詰め物、いわゆる金歯です。
金歯は、長持ちし、壊れにくく、
歯との合いがぴったりしているので、詰めた下の歯が虫歯になりにくい。
また、自分の歯よりも少しだけ柔らかいので、相方や支えになっている歯への負担は少ない。
実用性という面では非常に優れているのが金です。
しかし、審美性においてはセラミックのものと比べると劣るので、
白い歯を入れたい人は選ばないでしょう。
セラミックの歯や金歯は保険外の治療です。
安いものが良いという方は保険の歯ということになります。
もちろん、保険でも十分に機能する歯を作ることができます。
このように、お口の中の状況や、何を重視するかで、
「あなたにとって最適な治療」は変わります。
また、何本も治療が必要な場合、合計の予算もあるでしょう。
どの歯にお金をかけるのか。
何にお金をかけるのか。見た目なのか、機能性なのか。
あるいはお金をかけず、全部保険の範囲内で治療するという選択肢もあります。
このように、歯1本1本でも難しいのに、
お口の中全体となると、ご自身だけで決めていくのは至難の業です。
何十年もお付き合いする大事な歯です。
何が最適な治療なのか。
当院では、医学的な事実を踏まえながら、メリット・デメリットを説明して、
あなたのニーズに合ったものを選ぶお手伝いをいたします。