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インプラントのデメリット2:寝たきりになったら…

2016年2月19日インプラント,噛み合わせ

インプラントは「骨にがっちりくっつく」とお話ししました。

これはメリットでもあり、デメリットでもあります。

私は大きな総合病院(お医者さんの病院)の歯科で働いていたことがあります。
今も、動けない方のために、ご自宅にお邪魔して治療しています。

このような患者さんの中には、脳卒中*や痴呆*になってしまい、
歯ブラシができなくなってしまう方もいます。
このような方の歯は悪くなりやすく、
最終的にはやむを得ず抜歯しなければならない場合もあります。

また、自分の意図しない動き(不随意運動)が出てしまう病気もあります。
このような病気は、残った歯で自分のほほや唇を咬んでしまい、傷を作る場合もあります。
マウスピースを作ったり、歯を削ったりして対応するのですが、
どうしようもなければ抜歯が必要なこともあります。

自分の歯なら抜けます。

しかしインプラントは、「骨にがっちりくっついている」ので抜けません。
抜けるかもしれませんが極めて困難です。

このように、インプラントは邪魔になってもそう簡単には撤去できないものなのです。

否定的なことを書いてきましたが、間違えて頂きたくないのは、
インプラントがダメだと言っているのではありません。
この前の繰り返しで恐縮です。

このようなリスクも承知で、
それでもなお、あなたがインプラントを選択するなら、
それはそれで尊重するべきものだと思います。

私が心配なのは、歯医者も患者もインプラントを簡単に考え、
あまりに軽々とインプラントを選択している
ことです。
インプラントは基本的には一度選択したら変更はできない治療、不可逆的な治療です。
その点をよく考えて選択して頂きたいと思うのです。

難しい話ですので、当院でインプラントを選択する場合は、
このようなリスクを改めて詳しくお話しいたします。

*脳卒中:脳梗塞や脳出血
*痴呆:認知症
わかりやすくするためにこのような表現を遣いました。